Googleフォームを使うと、アンケート、問い合わせ受付、イベントの出欠確認、簡単な申込フォームなどをブラウザ上で作成できます。質問を並べるだけで始められますが、公開範囲やメールアドレス収集の設定を確認せずに共有すると、回答できない人が出たり、必要以上の個人情報を集めたりするおそれがあります。
現在のGoogleフォームでは、作成したフォームを公開し、誰が回答できるかを設定してから回答者へ案内します。また、「回答者」と「共同編集者」では付与する権限が異なります。完成前にリンクを配るのではなく、設定確認と回答テストを行うことが大切です。
この記事では、パソコン版のGoogleフォームを前提に、新規作成、質問形式の選び方、基本設定、公開、回答者への共有、安全確認までを初心者向けに解説します。回答の確認、通知、スプレッドシート連携は別記事で詳しく紹介します。
Googleフォームでできること
- お客様アンケートや社内アンケートを作る
- イベントや会議の出欠を確認する
- 問い合わせや資料請求を受け付ける
- 商品やサービスの簡易的な申込を受け付ける
- クイズや理解度確認を作る
- 回答を集計し、Googleスプレッドシートで管理する
Googleフォームは幅広い用途に使えますが、決済、厳格な本人確認、機微な個人情報の収集などには、専用サービスや専門家による設計が適する場合があります。無料で作れることだけを理由に選ばず、扱う情報と必要な管理水準から判断してください。
作成前に決める5項目
| 項目 | 決める内容 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何を判断するための回答か | セミナー参加人数を確定する |
| 回答者 | 誰に回答してもらうか | 申込者、取引先、社内メンバー |
| 収集項目 | 目的に必要な情報は何か | 氏名、参加可否、連絡先 |
| 受付期間 | 開始日と締切日 | 9月20日17時まで |
| 管理者 | 誰が回答を確認・削除するか | 担当者と責任者 |
質問を作る前に目的を1文で書くと、不要な項目を減らせます。たとえば出欠確認が目的なら、生年月日や住所まで集める必要は通常ありません。回答後の連絡にメールアドレスが必要なのかも先に判断します。
Googleフォームを新規作成する手順
- Googleフォームを開き、Googleアカウントでログインします。
- 「空白のフォーム」を選びます。目的に合うものがあればテンプレートから始めても構いません。
- 「無題のフォーム」に、回答者が内容を理解できる名前を入力します。
- 説明欄に、目的、回答期限、所要時間、問い合わせ先、個人情報の利用目的などを書きます。
- 最初の質問を入力し、右側のメニューから質問形式を選びます。
フォームの名前は、作成者がGoogleドライブで管理するときのファイル名にも関係します。似たフォームを複数作る場合は、「用途・対象・実施年月」などを含めると探しやすくなります。
質問形式の選び方
| 質問形式 | 向いている内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 記述式 | 氏名、会社名、短い回答 | 表記揺れが起きやすい |
| 段落 | 意見、問い合わせ内容、長文回答 | 回答者の入力負担が大きい |
| ラジオボタン | 候補から1つだけ選ぶ | 選択肢に漏れがないか確認する |
| チェックボックス | 複数の候補を選ぶ | 選択数の条件が必要か検討する |
| プルダウン | 候補が多い中から1つ選ぶ | 選択肢全体を一覧しにくい |
| 均等目盛・評価 | 満足度や段階評価 | 両端の意味を明示する |
| 日付・時刻 | 希望日や予約時刻 | 曜日、タイムゾーン、締切を説明する |
| ファイルのアップロード | 画像や書類の提出 | 回答者のGoogleログインが必要。保存容量と情報管理にも注意する |
集計しやすさを優先するなら、自由記述を増やしすぎず、選択式と組み合わせます。一方で、選択肢だけでは回答者の事情を拾えない場合があるため、「その他」や任意の補足欄を用意するとよいでしょう。
質問を追加して必須項目を設定する
- 右側の「質問を追加」アイコンを押します。
- 質問文を入力し、回答形式を選びます。
- 選択式の場合は選択肢を入力します。
- 回答がないと受付できない項目だけ「必須」をオンにします。
- 同じ形式の質問は「コピーを作成」を使い、質問文と選択肢を調整します。
すべての質問を必須にすると、回答者が途中で離脱しやすくなります。連絡や受付に不可欠な項目と、参考として聞きたい項目を分けてください。
入力ミスを減らす「回答の検証」
記述式など一部の質問では、その他メニューから「回答の検証」を設定できます。メールアドレスの形式、文字数、数値の範囲などの条件を指定し、条件に合わない回答には説明を表示できます。
たとえば会員番号が数字6桁なら、質問文だけで「数字6桁」と案内するより、入力条件も設定した方が誤入力を減らせます。ただし、条件を厳しくしすぎると正しい回答まで拒否するため、自分で複数パターンを試してください。
長いフォームはセクションで分ける
質問が多い場合は、基本情報、希望内容、確認事項などのセクションに分けます。回答者が現在位置を理解しやすくなり、関連する質問をまとめられます。
ラジオボタンまたはプルダウン形式では、回答に応じて移動先のセクションを変える設定も利用できます。たとえば「参加する」を選んだ人だけ希望時間を尋ね、「参加しない」を選んだ人は送信画面へ進める、といった分岐が可能です。すべての分岐を実際に通り、行き止まりや質問漏れがないか確認します。
共有前に確認する基本設定
| 設定 | 有効にした場合 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| メールアドレスを収集 | 回答とメールアドレスを関連付ける | 利用目的を説明し、本当に必要か判断する |
| 回答を1回に制限 | 原則として1アカウント1回答にする | 回答者はGoogleアカウントへのログインが必要になる |
| 回答の編集を許可 | 送信後に回答を変更できる | 締切後の変更を許可してよいか確認する |
| 回答のコピーを送信 | 回答者が送信内容を確認できる | メール収集の設定が必要になる |
| 結果の概要を表示 | 回答者が集計結果を見られる | 自由記述や個人情報が他の回答者に見えないか慎重に判断する |
| 確認メッセージ | 送信後に案内を表示する | 受付完了、次の手順、連絡先を簡潔に書く |
特に「結果の概要を表示」は慎重に扱います。Google公式ヘルプでは、回答できる人に回答の概要が共有され、自由記述の全文やグラフが表示される場合があると案内されています。必要性が明確でない限り、個人情報を含むフォームでは有効にしない方が安全です。
回答者と共同編集者の違い
| 種類 | できること | 共有する相手 |
|---|---|---|
| 回答者 | 公開されたフォームを開いて回答する | お客様、参加者、アンケート対象者 |
| 共同編集者 | 質問や設定を変更し、回答を確認できる | 作成担当者、責任者など必要最小限 |
回答してもらうだけの相手を共同編集者に追加しないでください。共同編集者はフォームの内容だけでなく回答にもアクセスできるため、個人情報を扱うフォームでは特に慎重な管理が必要です。
回答用スプレッドシートを新しく作成すると、フォームの共同編集者がそのシートにもアクセスできるようになる場合があります。その後フォーム側の権限を変更しても、リンク済みシートの権限は自動的に同じ状態へ変更されません。解除するときはフォームとスプレッドシートの両方を確認します。
公開前にプレビューで回答テストをする
- 右上の「プレビュー」を開き、回答者から見える画面を確認します。
- パソコンとスマートフォンの両方で、質問文や選択肢が読めるか確認します。
- 必須項目を空欄にした場合、誤った形式を入力した場合も試します。
- 分岐がある場合は、すべての選択肢から最後まで進めるか試します。
- テスト回答を送信し、管理画面へ正しく届くか確認します。
- 確認メッセージと、設定している場合は回答コピーも確認します。
作成者のアカウントでは開けても、回答者には権限がなく開けない場合があります。可能であれば、公開後に回答者と同じ条件の別アカウントやログアウト状態からも確認してください。
フォームを公開する手順
- 右上の「公開」を押します。
- 「管理」または共有設定を開き、回答できるユーザーを指定します。
- 特定のユーザーやグループだけにするか、「リンクを知っている全員」など一般的なアクセスを許可するか選びます。
- 設定内容を再確認し、「公開」または「公開して通知」を押します。
- 右上に「公開済み」と表示されることを確認します。
公開を停止すると、リンクを知っている回答者もフォームへアクセスできなくなります。受付終了時に回答の受付だけを止めるのか、フォーム自体を非公開にするのかは、案内方法と保存方針に合わせて判断してください。
回答者へ共有する3つの方法
回答者用リンクを共有する
公開後に「公開済み」または共有画面から、回答者に送信するリンクをコピーします。コピーしたURLをメール、チャット、案内ページなどに貼り付けます。編集画面のURLと取り違えないよう、貼り付けたリンクを実際に開いて確認してください。
メールで回答者へ通知する
回答者を指定して通知する場合は、宛先、フォーム名、回答期限、問い合わせ先を確認してから送信します。多数へ案内する場合は、個人のメールアドレスが他の受信者に見えない方法を選びます。
ウェブサイトへ埋め込む
その他メニューの「HTMLを埋め込む」からコードを取得し、対応するウェブサイトへ設置できます。公開範囲は埋め込みとは別に管理されるため、サイトに表示されていても、フォーム側のアクセス設定によって回答できない場合があります。
個人情報を安全に扱うための確認
- 目的に不要な氏名、住所、電話番号などを収集しない
- フォームの説明欄などで利用目的と問い合わせ先を示す
- 回答を閲覧できる共同編集者を必要最小限にする
- 回答用スプレッドシートの共有設定も確認する
- 受付終了後の保存期間と削除方法を決める
- Googleアカウントで2段階認証を使用する
共同編集者や回答データの共有では、「Google ドライブの共有設定|権限と安全な使い方」を参考にしてください。管理用アカウントの保護については「Googleアカウントの2段階認証を設定する方法」で解説しています。
公開前チェックリスト
- フォーム名、目的、期限、問い合わせ先を記載した
- 不要な個人情報を質問していない
- 必須項目が必要最小限になっている
- メール収集、1回制限、回答後の編集を確認した
- 結果の概要を回答者へ表示する設定を確認した
- 回答者と共同編集者の権限を取り違えていない
- すべての分岐とエラー表示をテストした
- 回答者用リンクから回答できることを確認した
公開後に内容を変更するときの注意点
公開後も質問や選択肢を編集できますが、回答が集まった後に質問の意味や順番を大きく変えると、変更前後の回答を同じ条件で比較できなくなる場合があります。不要になった選択肢の削除や質問形式の変更は特に慎重に行ってください。
変更する場合は、変更日時、変更理由、対象の質問を記録し、必要に応じて回答者へ案内します。大幅な変更なら既存フォームのコピーを作り、新しい受付として分ける方法も検討します。
回答の確認とスプレッドシート連携
回答はフォーム上部の「回答」から確認できます。件数が増える場合はGoogleスプレッドシートへ連携すると、一覧表示、並べ替え、集計を行いやすくなります。
この部分は「Googleフォームの回答を確認する方法|スプレッドシート連携と通知設定」で、回答確認、メール通知、受付停止、CSV保存まで詳しく解説しています。リンクしたシートを共有するときは「Googleスプレッドシートの共有設定|権限の違いと安全な使い方」もご覧ください。
よくある質問
回答者にもGoogleアカウントが必要ですか?
一般公開された通常のフォームでは、設定によってはログインせず回答できます。ただし、「回答を1回に制限」やファイルアップロードを使用する場合、アクセス範囲を限定している場合などはログインが必要です。公開前に回答者と同じ条件で確認してください。
リンクを送ったのに回答者が開けないのはなぜですか?
フォームが未公開、回答者にアクセス権がない、別のGoogleアカウントで開いている、組織の管理設定で制限されている、といった原因が考えられます。「公開済み」の表示と回答者のアクセス範囲を確認します。
回答用リンクと編集用リンクはどう違いますか?
回答用リンクは入力画面を開くためのものです。編集用リンクや共同編集者権限は、質問・設定・回答を管理するためのものです。回答者には必ず回答者用リンクを案内してください。
送信後の回答を修正してもらえますか?
設定で回答後の編集を許可できます。ただし、締切後も変更される可能性があるため、申込確定などに使う場合は運用ルールを決めます。
フォームの受付を終了できますか?
受付を停止し、回答者向けの終了メッセージを表示できます。フォームの公開自体を停止する方法もあります。終了後は回答データを確認し、不要な共同編集者の権限も見直してください。
まとめ
Googleフォームは、目的と回答者を決め、必要な質問だけを作るところから始めます。質問形式、必須設定、入力条件、メールアドレス収集、回答回数を確認し、プレビューでテストしてから公開しましょう。
回答者と共同編集者の権限を分け、個人情報を扱う場合は閲覧者を必要最小限にします。公開後も受付状況と権限を確認し、目的が終わったら回答受付や共有設定を見直すことが安全な運用につながります。
参考:Google公式ヘルプ
最終確認日:2026年9月11日。Googleフォームの画面や機能は変更されることがあります。操作時は公式ヘルプと実際の画面をご確認ください。

